支援級に通えることを「ラッキーだ」と思える社会であってほしい

赤穂市児童発達支援事業「あしたば園」は、通所受給者証(児童発達支援)を受けている就学前の子どもを対象にした支援事業です。親子での保育(0〜3歳)、ソーシャルスキルトレーニング(SST/4・5歳)や機能訓練、言語指導などを通じて、日常生活や集団生活での適応力を育てます。利用には1回につき自己負担金486円が必要です。運営は赤穂すこやかセンターで、詳細や申し込みは同センターで受け付けています。


「支援級に通っています」


この一文を、
どんな気持ちで口にしているでしょうか。


申し訳なさそうに?
どこか後ろめたさを感じながら?
あるいは、
周囲に説明しなければならない“事情”として?


私は、この言葉が、もっと軽やかに語られていいと思っています。


いや、正確に言えば――
「支援級に通えてラッキーだった」
そう振り返られる未来が、もっと増えていい。


私は、学習塾を営んでおりますから、
このようなことを、ここに、書くことは、
本来、場違いです。


でも、認めることが出来ればもっと楽になると思う親御さんには出会ってしまうのです。

今日は、そんな話を書いてみます。


目次

赤穂市の感覚


私が小学生だった頃に比べると、状況は大きく変わったと思います。


私は、支援級に関わっている訳でもありませんが、職業柄、支援級にまつわる話をたくさん聞きます。


Willbeに通ってくださる保護者様の中には、幼稚園教諭/小学校教諭といった方もおられ、詳しくお話を伺う機会もございます。


昔より理解が進んだ印象はありますが、どうしても私の親世代(60代~70代)からすれば、「普通」ではない状況、幼稚園で見せる顔と家で見せる顔があまりにも違うため、受け入れられないことも多くあるように思います。


父、母、祖父、祖母。
それぞれの思惑が交錯するため、
単純な問題ではないことは理解しているつもりです。


また、
普通という言葉すら不毛なのですが、
あえて普通という言葉を使ってまいります。

「普通」に合わせることが、必ずしも幸せではない

学校教育は、どうしても「集団」を前提に設計されています。

同じ年齢、同じ教室、同じ進度、同じ評価基準。

もちろん、それがうまく機能する子もいます。
しかし一方で、こう感じている子も少なくありません。

  • みんなと同じスピードがしんどい
  • 音や視線が多すぎて疲れる
  • 分かっているのに、うまく表現できない
  • 分からないまま次へ進んでしまう

この状態で「通常学級で頑張り続ける」ことは、本当にその子のためでしょうか。

支援級は、
「できない子が行く場所」
ではありません。

“今の環境では力が出しにくい子が、力を出しやすくなる場所”

それだけのことです。


塾に個別指導を求めるのであれば、支援級を個別指導だと捉えてみてはいかがでしょうか?


集団塾よりも個別指導の方が月謝は高い。


だが、支援級にそのように高額な費用はない。


合理的精神では割り切れない部分があるのかもしれませんが、どなたかのご気分を害す覚悟で書いてみました。


手厚いですよ?


支援級は「遅れる場所」ではなく「整える場所」

よく聞く不安があります。

  • 勉強が遅れるのでは?
  • 将来が狭まるのでは?
  • レッテルを貼られるのでは?

気持ちは分かります。
親として、不安にならないはずがありません。

ただ、現場で子どもたちを見ていると、こう感じることが多々あります。

支援級に移ってから、表情が変わる子がいる。

  • 朝、学校に行けるようになる
  • 授業中に顔が上がる
  • 発言が増える
  • 失敗しても崩れなくなる

これは「甘やかされた」からではありません。
環境が、その子に合っただけです。

学習も同じです。
理解できないまま進むより、
一度立ち止まり、整理し、積み直す。

これは遠回りではありません。
むしろ、最短ルートになることすらあります。


「できない経験」より「できた経験」を先に

自己肯定感は、後から教えられるものではありません。体験として積み上がるものです。

・分かった
・できた
・伝わった
・認められた

こうした小さな成功体験が、
「次もやってみよう」という気持ちを育てます。

しかし通常学級で、
・分からない
・間に合わない
・注意される
・比べられる

こうした経験ばかりが続けば、
心は簡単に折れてしまいます。

支援級は、
「できた」を意図的に作れる環境です。

これは、特別なことではありません。
スポーツでも、音楽でも、
初心者はいきなり公式戦に出ません。

教育だけが、なぜか
「同時・同量・同進度」を求めすぎている。
私はそう感じています。


支援級に通えること自体が「選択肢」であるという事実

少し視点を変えてみましょう。

支援級がある。
そこに通える制度がある。
専門性を持った先生がいる。

これは、当たり前ではありません。

時代や地域によっては、

  • そもそも選択肢がない
  • 我慢するしかない
  • 家庭で抱え込むしかない

そんな状況も、現実として存在します。

「支援級に通える」というのは、
社会が用意してくれたセーフティネットを使えているということでもあります。

使えるものを、使う。
それは逃げではありません。
合理的な判断です。


支援級=一生そのまま、ではない

もう一つ、大切なこと。

支援級は「固定」ではありません。
必要な時期に使い、
状況が変われば、形も変わる。

実際に、

  • 支援級 → 通常学級
  • 支援級+交流学級
  • 学年によって調整

こうしたケースは珍しくありません。

人は変わります。
環境も変わります。
必要な支援も変わります。

だからこそ、
今の状態に合った場所を選ぶ
それだけでいいのです。


「ラッキーだった」と言える未来を

私は、将来こう語る若者が増えてほしいと思っています。

「小学生のとき、支援級に行ってたんです」
「正直、あれはラッキーでした」

・あのとき、無理しなくてよかった
・自分のペースを守れた
・ちゃんと向き合ってもらえた
・自分を嫌いにならずに済んだ

そんな記憶が、
その後の人生を静かに支えてくれる。

支援級は、
人生を決める場所ではありません。

人生を守る場所です。


赤穂市児童発達支援事業(あしたば園)

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赤穂市児童発達支援事業「あしたば園」は、通所受給者証(児童発達支援)を受けている就学前の子どもを対象にした支援事業です。

親子での保育(0〜3歳)、ソーシャルスキルトレーニング(SST/4・5歳)や機能訓練、言語指導などを通じて、日常生活や集団生活での適応力を育てます。

利用には1回につき自己負担金486円が必要です。
運営は赤穂すこやかセンターで、詳細や申し込みは同センターで受け付けています。



あしたば園にくわえて新たな発達支援事業所が赤穂市に出来るそうです。

遺伝的な側面もおおくあるのが現実ですが、多くの「遅れ」は訓練によって改善されます。

これは、低学年に関わるようになってから、痛感するところです。



もし「あしたば園」と同様のサービスを私が行うならば、月謝2万円以上を頂かないとわりに合わないと思ってしまいます。

それほどまでに専門家が関わる事業所です。




最後に

支援級に通うことを、
恥ずかしいことだと思わなくていい。
後ろめたく感じなくていい。

それは、
「その子に合った環境を選んだ」
ただそれだけのことです。

もし今、迷っているなら。
悩んでいるなら。
どうかこう考えてみてください。

支援級に通えることは、ラッキーかもしれない。

少なくとも、
「一人で抱え込まなくていい」という点においては。

私は、そう思っています。







赤穂市児童発達支援事業「あしたば園」は、通所受給者証(児童発達支援)を受けている就学前の子どもを対象にした支援事業です。親子での保育(0〜3歳)、ソーシャルスキルトレーニング(SST/4・5歳)や機能訓練、言語指導などを通じて、日常生活や集団生活での適応力を育てます。利用には1回につき自己負担金486円が必要です。運営は赤穂すこやかセンターで、詳細や申し込みは同センターで受け付けています。

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この記事を書いた人

光庵 良仁のアバター 光庵 良仁 赤穂市の進学個別指導塾Willbe塾長

●1983年6月17日生
●赤穂市出身
●赤穂高校卒
●立命館アジア太平洋大学卒

2019年3月兵庫県赤穂市に「個別指導塾Willbe」を開校。Willbe理念は「赤穂市に最高の大学受験環境を」。

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