赤穂市の進学個別指導塾Willbeの光庵(こうあん)です。
昔は「読み・書き・そろばん」と言われていた時代もありました。
しかし、今の子どもたちが生きるこれからの社会は、大きく変わろうとしています。
これからの時代に子どもたちにどのような力を身につけさせるべきか――。
今回は、私たちが大切にしたい「見える学力」と「見えない学力」についてお話しします。
1.学力とは何か?
一般的に「学力」というと、
✅ 知識の理解
✅ 問題を解くテクニック
などを指します。
学校のテスト(出題範囲の決まった確認テスト)では、こうした「見える学力」はすぐに成果が現れやすく、点数として評価されやすいものです。そのため、一般的な塾や学校、そして家庭でも「できるだけわかりやすく教える」「覚える(暗記する)」ことが重視されがちです。
2. 見えない学力(非認知能力)の重要性
見えない力
私自身、年長さんから大学受験まで生徒/児童を指導してきて感じていることは、、本当に大事なのは「目に見えない部分」だということです。もちろん、知識や公式を覚えることは大事です。ですが、特に算数・数学においては、数と図形のバランスをとることが欠かせません。
① イメージする力
理解力の土台となるのが「イメージする力」です。例えば、文章だけでは理解できなかった子が、図を書いてみると一気に理解できることがあります。逆に言えば、文章を読んで自分で図を書ける子は、理解力が高いと言えるでしょう。
「抽象」の前に「具体」。
具体をイメージできるからこそ、抽象的なことを考えられるのです。
② 仮説思考力
簡単に言えば、「あーでもない、こーでもない」と試行錯誤する力です。解けないときに「どうすれば解けるかな?」と粘り強く考えられるかが大事です。
4. 見える学力も大切
もちろん、
✅ スピード
✅ 得点能力
✅ 解法テクニック
も大切です。
これは、計算ドリルや問題集を繰り返し練習して身につけるものです。
3. 社会で必要な力とは?
社会で必要なのは「見える学力」だけでしょうか?
答えはNOです。
「見える学力」と「見えない学力」の両方が大切なのです。
テストの点数ばかりで子どもの価値が決まってしまいがちですが、本質的に大切なのは、両者のバランスです。
4. 小さいうちから鍛えたい力
幼児/小学生のうちは、健康の次に大切なのが
✅ 問題解決能力
✅ イメージする力
です。
九九を覚えるのは小学2年生になってからで大丈夫。
因数分解も中学生からで十分です。
小学生のうちは、「目に見えない学力」を親御さんが意識して育てる必要があります。(学力と家庭の習慣が相関すると言われる理由は、ここにあります。)
5. 本来の算数教育とは?
算数教育は、本来「速く正確に解く力」だけでなく、中学生、高校生、社会人になっても役立つ思考力を育てる教科のはずです。
しかし現状は、共通テスト型や定期テスト暗記型の学習に偏りがちで、それではバランスの悪い子になってしまいます。
6. 後伸び力を育てるために
点数や順位ばかり追いかけるのではなく、
✅ 難しい問題に粘り強く挑戦する力
✅ 自分で考え、自分で作戦を立てる力
✅ 自分の考えを表現する力
を鍛えていくことが大切です。
7. 具体的な取り組み例
以下のような習慣をぜひ意識してみてください。
✅ 人にすぐ聞くよりも、自分で考える・作戦を立てる
✅ まずは何も見ずに解いてみて、必要に応じて図を書いて整理する
✅ 簡単な問題よりも、少し難しい問題を楽しみながら挑戦する
✅ 「できない時間」を楽しみ、粘り強く取り組む
もっとも大切なことは、「出来ない時間を楽しんでいる幼児」「自分で作戦を考えて失敗している幼児」の邪魔をしないことです。たくさん失敗して失敗して失敗することが「非認知能力」を育てます。
まとめ
これからの社会で活躍するために必要なのは、「見える学力」と「見えない学力」の両方です。
特に「見えない学力」は、子どもが大きく成長する土台になります。目に見えるテストの点数ばかりにとらわれず、ぜひ、バランスよく子どもたちの力を育てていきましょう。