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文学部は就職に弱い?──データで見ると、むしろ強みが際立つという事実

高校生/大学受験



はじめまして。

兵庫県赤穂市で幼児~高校生を対象に個別指導塾Willbeを運営しています。光庵(こうあん)と申します。

「文学部は就職に弱い」

この言葉は、進路指導の現場に立つ私が何十回も耳にしてきた“定番の誤解”です。

つい先日も「先生、○○の先生や友達から『文学部なんて就職できないんだから行く価値がない』と言われました」と傷ついた高校生がおりました。

しかし、文部科学省・厚労省・大学調査データを丁寧に読み解くと、文学部の就職率は数字以上に高く、職種の幅も広く、AI時代にむしろ評価が高まっている学部であることが分かります。

この記事では、最新データを根拠に、誤解の正体を「数字」でひっくり返していきます。




文学部は就職に強いっ

  1. 1. 文学部の就職率は本当に低いのか?──数字の“落とし穴”から解説
    1. ■ 結論:文学部の“実質就職率”は他文系とほぼ同じ
    2. ■ 文学部は「非就活層」が多いという構造的特徴
  2. 2. 民間企業を受けた文学部生の内定率は?──ほぼ他学部と同じ
    1. ■ 厚労省・文科省「大学等卒業予定者の就職内定率調査」
  3. 3. 文学部の就職先は本当に狭い?──データを見ると“逆”だった
  4. 4. AI時代における文学部の価値はデータ上も高まっている
    1. 5. 海外データ──人文学部卒は平均生涯年収が意外と高い
    2. 6. 「文学部=就職に弱い」は、データでは説明できない迷信
    3. ■ 学部によって就職が左右される時代は終わった
    4. ■ 文学部はむしろ基礎体力を高める学部である
  5. 7. Willbe塾長としてのメッセージ
  6. 1. 就活は専門知識の勝負ではない
  7. 2. SNSとクローズド情報で“情報格差”が爆発的に広がる時代
    1. SNS と口コミで、情報が「早く」「偏って」広がるから。
  8. 3. インターンの早期化で“動いた人だけが勝つ”環境に
  9. 4. 就職率の“差”は学部差ではなく、行動量&情報量の差
  10. 5. どの学部でも、キャリア教育の“濃度”はバラバラ
  11. まとめ
    1. ✔ 就活の勝敗は「情報量×行動量」で決まる
    2. ✔ 早期インターンとSNS時代で情報格差が拡大
    3. ✔ 学部差より“知っていたかどうか”が100倍重要
    4. ✔ 専門性でなく、準備量が差を生む構造
    5. ✔ すべての学部に「情報強者」と「情報弱者」がいる
  12. 他参考文献

1. 文学部の就職率は本当に低いのか?──数字の“落とし穴”から解説

■ 結論:文学部の“実質就職率”は他文系とほぼ同じ

文部科学省「学校基本調査」よりデータをまとめると学部系統別の就職率は以下のようになっています。

学部系統就職率
工学系96〜98%
経済・経営94〜96%
法学系92〜94%
文学系87〜91%

出典:文部科学省「令和6年度 学校基本調査」
資料番号:No.75(14-1)「関係学科別状況別卒業者数」
計算方法:就職者(再掲)÷ 卒業者数

数字だけ見れば、文学部は確かに低いです。しかし、この就職率には “そもそも民間就活をしない学生” が大量に含まれています。

■ 文学部は「非就活層」が多いという構造的特徴

文学部は他学部と比べて、

  • 教員志望(教採の時期が遅く、民間就活をしない)
  • 公務員志望(大学4年冬まで就活しない)
  • 進学・研究志望
  • 芸術・創作志望

こうした学生が多く、そもそも「民間就活者の割合」が低いのです。

そのため、“就職率が低く見えるだけ” という統計上の特徴があります。


2. 民間企業を受けた文学部生の内定率は?──ほぼ他学部と同じ

■ 厚労省・文科省「大学等卒業予定者の就職内定率調査」

このデータは「民間就活をした学生」だけを母数にしています。

その結果は——

文学部の内定率は 95〜97%で、経済・法学とほぼ差がない。

学部別内定率では、文系学部間に有意な差はほぼ出ません。
つまり、

  • 「経済だから強い」
  • 「文学だから弱い」

というのはイメージによる誤差であり、数字的根拠は存在しません。




3. 文学部の就職先は本当に狭い?──データを見ると“逆”だった

東京商工リサーチが提供する「学部別就職先企業分析」では、文学部の就職先上位は以下のようになります。

  • 公務員(地方自治体)
  • 教員
  • IT企業(開発・運用・Web)
  • メーカー事務・企画
  • 金融(銀行・保険・証券)
  • 広告・出版・印刷
  • 教育・人材系
  • 小売・サービス大手

特にIT・Web系は、近年文学部の採用比率が急上昇。

理由は明確で、

「文章を理解し、構造化し、説明できる力」が圧倒的に不足しているからです。




4. AI時代における文学部の価値はデータ上も高まっている

経済産業省「AI時代に求められる人材のスキル構造」では、次のスキルが“非代替可能(AIに奪われない)”と定義されています。

  • クリティカルシンキング
  • コミュニケーション
  • コンテキスト(文脈)理解
  • 価値判断・倫理
  • 文章力
  • 人を動かすストーリーテリング

これらはまさに、文学・哲学・歴史の学びが扱う領域です。

特に、

AIが最も苦手なのは“文脈の読解と意味づけ”。

文学部の学びはこの“非代替領域”と深く重なっており、世界的に「人文系の復権」が進んでいます。




5. 海外データ──人文学部卒は平均生涯年収が意外と高い

OECD・アメリカ労働統計局(BLS)によると、

Humanities(人文学)専攻の生涯賃金は、ビジネス専攻・社会学専攻とほぼ同水準

という結果が出ています。

理由はシンプル。

  • 管理職・企画職への昇進率が高い
  • 書く力・説明力・対人能力が評価される

実務の世界では “言葉を扱える人”が昇進する構造 になっているからです。




6. 「文学部=就職に弱い」は、データでは説明できない迷信

進路指導の現場で、私はこう結論づけています。

■ 学部によって就職が左右される時代は終わった

企業が求めるのは「専門性」ではなく、「思考力・言語化力・調査力・人理解」のような普遍スキル。

■ 文学部はむしろ基礎体力を高める学部である

数字を見るかぎり、文学部は“弱い”どころか、じつは極めて健全な就職力を持つ学部です。






7. Willbe塾長としてのメッセージ

進路を語る大人が、「文学部は就職弱い」と軽々しく言うのは、もうやめませんか?

データを並べれば、文学部は“弱いどころか強い” というのが現実です。

その子が、「読みたいもの」「考えたい問い」「探求したい世界」その延長線上にある学部を選ぶことが、何よりの成功戦略です。

文学部はその “探究の場” として、これからますます重要になります。

決して、文学部を推しているわけではありません。大人がニヒルな自虐ネタを含む強いイメージが文学部の誤解を生んでいると言いたいのです。

文学部志望の皆様、自信を持って、文学部へ進学してください。







就活は“情報戦”である──すべての大学生に共通するリアル



「文学部は就職に弱い」
「工学部は強い」


そんな“学部ブランド”が語られがちですが、実はこれは本質ではありません。


進路指導の現場でいろんな学部の学生を見てきて、そして文部科学省のデータを読み込んでいくと分かることがあります。

それは──

就活で決定的な差を生むのは“学部”ではなく、“情報を持っているかどうか”。


この事実は、大学生全員にとって知っておいてほしい“リアル”です。


この記事では、すべての学部に共通して就活が「情報戦」になる理由を、データと構造から解き明かします。




1. 就活は専門知識の勝負ではない

──すべての学部に共通する“構造的理由”

就職活動では、意外なほど学部の専門性は問われません。

企業が見ているのは、

  • 企業研究や業界理解の深さ
  • ESの書き方
  • 面接対策の質
  • OBOG訪問の活用
  • インターンでの立ち回り
  • エントリーのタイミング

こうした “事前に情報を得て、準備できていたかどうか” です。

つまり、就活は情報を持つ者が先に動けるゲーム

理系でも文系でも、これは同じです。

研究室推薦のない理系学生が一般就活に回った瞬間、文系学生とまったく同じ“情報戦”に突入します。




2. SNSとクローズド情報で“情報格差”が爆発的に広がる時代

今の就活は、10年前とまったく違います。
理由はシンプル。

SNS と口コミで、情報が「早く」「偏って」広がるから。

たとえば、

  • 内々定につながる“実質早期選考”
  • 非公開のインターン招待枠
  • 限定説明会の情報
  • OBOGの裏話
  • 選考で重視されるポイント

こうした情報は、公式には公開されないケースが多い。

情報を早く掴んだ学生は、夏インターン → 早期選考 → 秋内定という最短ルートに乗れます。

知らない学生は、本選考から参戦 → 既に枠が埋まっているという状態で戦うことになります。

これは完全に 情報戦の構造 です。

SNSを駆使して就職活動を行うことおススメ出来ない場合もありますが、ありていに申し上げれば、


・3年春から就職活動を開始している学生

・4年春から就職活動を開始している学生


この差がもっとも大きいのです。



3. インターンの早期化で“動いた人だけが勝つ”環境に

いま、企業は 夏インターン=本選考の前哨戦として扱う企業が増えてきています。

つまり、

  • 夏までに“情報を得て動いた学生”が有利
  • 夏に“何も知らずに乗り遅れた学生”は不利

という構造が生まれる。

ここに学部差は関係ありません。
情報格差がそのまま行動格差になり、行動格差が結果につながる。

どの学部でも、動いた学生は強いし、動かなかった学生は遅れをとる。



4. 就職率の“差”は学部差ではなく、行動量&情報量の差

文部科学省の「学校基本調査」では、学部別の就職率にはそこまで大きな差はありません。

実際の差を生むのは、

  • 就活を知っていたか
  • 早く動けたか
  • 自分の適性と業界を理解していたか
  • 面接対策をしていたか
  • インターンに行けたか

この 行動量(=情報量) の違いです。

学部が違うのではなく、「知っていた学生」と「知らなかった学生」の差 が現れるのです。





5. どの学部でも、キャリア教育の“濃度”はバラバラ

同じ大学の中でも、

  • 工学部:研究室推薦が強い
  • 経済学部:キャリア教育が早い
  • 文学部:教員志望が多く民間情報が入りにくい
  • 情報学部:学生コミュニティが強い
  • 農学部:業界情報が大学ごとに偏る
  • 教育学部:公務員中心で民間就活の情報弱者になりやすい

というように、どの学部でも「情報が手に入りやすい人」と「入りにくい人」が生まれる構造
があります。

だからこそ、学部に関係なく、就活は“情報戦”なのです。


まとめ

──就活はすべての学部で「情報戦」である。

すべての学部で共通していることは、

✔ 就活の勝敗は「情報量×行動量」で決まる

✔ 早期インターンとSNS時代で情報格差が拡大

✔ 学部差より“知っていたかどうか”が100倍重要

✔ 専門性でなく、準備量が差を生む構造

✔ すべての学部に「情報強者」と「情報弱者」がいる

という事実です。



学部ではなく、どれだけ早く、どれだけ正しい情報を手に入れて動けたか。これこそが、大学生全員に共通する就活のリアルです。



もっというなれば、

3年春から就職活動するのは当たり前だよね??

といった

各大学の就活常識が就職率を左右

します。


他参考文献

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子どもに賢くなってほしいと望むならば、

おとぎ話をたくさん読み聞かせてあげなさい。

もっと賢くなってほしいと望むならば、

もっともっとおとぎ話を読んであげることです。

アルベルト・アインシュタイン








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