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9月の追加図書【2022】「砂糖の世界史」「食べ物から学ぶ世界史」「現代思想入門」「カラマーゾフの兄弟」

Willbe図書館





塾生へのお知らせ

あの本を読みたいけれど、学級文庫や赤穂の図書館ではいつもだれかが借りている。そんな本があれば是非教えて下さいませ。

「Willbe図書館」においてもらえるかもしれないよ!






さて、

個別指導塾Willbeがお届けする圧倒的不人気シリーズ

今月の追加図書。








今月は


・「砂糖の世界史」岩波ジュニア新書
・「食べものから学ぶ世界史」岩波ジュニア新書
・「現代思想入門」講談社現代新書
・「カラマーゾフの兄弟 上・中・下」新著文庫



といった感じです。中高生へ一般常識として読んでおいてほしい3冊と、、、なぜか高校生が私に向かってゴリ押しで進めてきた「カラマーゾフの兄弟」。。。


ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」、有名といえば有名ですが、「罪と罰」のイメージが強すぎて、読む気にならなかった1冊。


なぜか高校生がキラキラして目で「ロシアの有名な小説知ってますか?」なんて言いながら勧めてくる。


ん〜一生読まないと思っていましたが、これをきっかけに私は読むのだろうか。


読まない気がしますが、買ってしまいました。



先月の追加図書






「食べものから学ぶ世界史」平賀緑 岩波ジュニア新書

序章 食べ物から資本主義を学とは

1章 農耕の始まりから近代世界システムの形成

2章 山積み小麦と失業者たち

3章 食べ過ぎの「デブ帝国へ」

4章 世界の半分が植えるのはなぜ?

5章 日本における食と資本主義の歴史

6章 中国のブタとグローバリゼーション

終章 おわりに





さて、一般教養として高校生が読んでおいて損はないく、文体もジュニア新書らしく小難しい文体ではなく、中学生でも無理なく読める1冊です。



アダムスミスの「神の見えざる手」なんて言葉も出てきますが、中学歴史を学んだ子なら無理なく読めるでしょう。



あるいは高校の歴史綜合を補完する教科書としての役割を果たしてくれるかもしれません。近代以降の歴史についても、深く学べる気がいたします。



ジュニア新書ですし。。。



内容は、タイトルが示す通り、食べ物から「世界史(特に経済史)」「資本主義」を学べるようになっています。








第1章で述べられている「農耕の神話と穀物の役割」の時点でやや面白いです。




中学の教科書では、


想像もできないほど長い年月狩猟採集によって生活してきた人間は、農耕と牧畜を開始しムラが出来て、より多くの人が集まって生活できるようになり、王や貴族など自分で食物を生産しない人たちを養えるようになり、一見、働かなくて良さそうな人が登場し、文明が起こり国家へと発展していった。


といったことを学んでいそうですが(筆者はこれを農耕の神話と読んでいる)、第1章では、その農耕の神話を疑うところから始めています。


つまり、


「農耕によって人類は文明を発展させてきた」のではなく「農耕が選ばれたのは、支配者にとって都合が良かった」「人が集まり農耕をすることで、人は逆に不幸になったのではないか?」といったことを考えていくのです。




どう言うこっちゃ??

うん?

は??




「自然や人の胃袋が選んだのではなく、昔から政治経済に組み込まれた『政治的作物』だった」???????????




鶏が先か? たまごが先か?




ご興味あればぜひ一読くださいませ。











「砂糖の世界史」川北稔 岩波ジュニア新書




さて、こちらも知る人ぞしる名著、なぜ今までWillbe図書館においていなかったのだろうか。不思議。



先ほどの「食べ物から学ぶ世界史」の中でも引用されている1冊です。



どちらを先に読んでも良いですが、「食べ物から学ぶ世界史」から「砂糖の世界史」を読んでも良いのかもしれません。文体は「食べ物から学ぶ世界史」の方が優しいですし、「食べ物から学ぶ世界史」が「通史」で、「砂糖の世界史」が特定の時代やモノを切り取って与り深く考えてみたといった雰囲気です。



特に「食べ物から学ぶ世界史」「1章農耕の始まりから近代世界システムの形成まで」「2節 大航海時代と重商主義」周辺を詳しく書いてあるのが、「砂糖の世界史」ですね。










「現代思想入門」千葉雅也 講談社現代新書





こちらは中学生にはやや厳しい気はいたします。


高校倫理や高校世界史もしくは歴史総合をある程度勉強された方なら読めると思います。


大学生が授業の内容を補完するものとしてはちょうど良いと思われます。




現代思想のススメ①


このまま新書は絶滅するのか…講談社現代新書が出した「一つの答え」(青木 肇)
もはや「新書」は絶滅危惧種なのではないだろうか――そう思うことがある。



もともとは↑↑こちらの熱い記事を読み、熱くなったことがキッカケです。笑


新書はもう大学生高校生が読むものではなくなったのかという寂しさと、それでも大学生が本を読まないなんてあり得ないと時代に争う、ささやかな抵抗としてWillbe図書館においておきます。www



弊塾には、「哲学」「思想」に関連する図書が多くありますが、これは哲学推しと言うわけではなく、大学でいずれの分野を学ぼうとも、


経済も政治も社会学も古典的な思想から発展したものでありますから、「哲学」「思想」めいたものは登場してきます。


そういうとガチ「哲学」勢に怒られる気はしますが、そういう意味ではガチ「経済学」ガチ「金融」ガチ「政治理論」より「入門書としての思想系」の本が多くなるのです。





現代思想のススメ②



また、


筆者の千葉先生曰く「現代思想を学ぶと、複雑なことを単純化しないで考えられるようになり、単純化出来ない現実の難しさを、以前より『高い解像度』で捉えられるようになる」そうです。


ここもよくわかるのです。


「解像度」


そこなんですね。


この世界がぼやぼやの白黒モザイク映像から徐々にカラー映像に近づいてくる。決して、4Kにはならないのだけれど、世界がより見えてくる。






見えてくると何が良いのか??


世界の中での自分を相対化しやすくなると思うんですよね。


特に「普通」って言うものがよくわからないのが現代社会ですよね。特に今の保護者世代からすれば「普通」だと思っていたものが、どうやら「普通」ではなかったという経験はあるのでは無いでしょうか?


衝撃的な「普通」に出会ってしまうとどうしても自分を再定義する必要があります。再定義出来ないとするならばそれは「孤独」「焦り」といったモノを意味するのかもしれません。


昔なら本当に「普通」のものに自分を合わせていくだけで心の安定が図れたわけですが、やはり今はそうではない。「普通」だと信じていたものが10年たってみれば徐々に「普通」ではないんだと思い知らされる。そこでまた「普通について考えざるを得ない。」


故に、常に変わりゆく世の中で変わらないものが何なのかという本質的な側面から「世界」(身近な世界)の解像度を上げておく必要があるのです。


白黒のポヤポヤっとモザイクがかった映像の中ではやはり自分を見つけにくいんです。










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