第2回漢字検定

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「雪の名前」「楼太鼓が聞こえる」【2023年2月②】追加図書

中高用小説





こんにちは 


赤穂市の個別指導塾Willbeの光庵です。


毎年、Willbeでは公立高校入試に出題された本を何冊か購入しています。今回は2022年度公立高校入試問題出典小説より「雪の名前」「楼太鼓がきこえる」をWillbe図書館に追加いたしました。















「雪のなまえ」(村山由佳)



この作品は、小学5年生の雪乃が主人公。不登校といじめの悩みを抱え、父とともに長野の農村へ移り、曾祖父母と新しい生活を始める物語です。


物語の中で、雪乃は大自然や地域の人々、そして同級生・大輝との出会いを通じて、少しずつ凍っていた心を溶かし、自分の“居場所”を取り戻していきます




「名前」の大切さ

主人公の名前は「雪乃」です。では何故「雪のなまえ」というタイトルになっているのでしょうか?


雪乃が自然の中で癒されていく過程は、「言葉にならない感情に言葉を与える」過程でもあります。不安、寂しさ、怒り、喜び。そうした感情を「名前=言葉」として見つめ直すことで、人は少しずつ前を向けるのです。だからこそ、「雪のなまえ」というタイトルは、〈名づけることで、見失っていた自分を取り戻す〉という、再生と自己回復の物語を象徴しているといえるでしょう。


名前は大切ですw





「櫓太鼓がきこえる」(鈴木ふみ)


高校を中退した17歳の主人公・篤(あつし)は、偶然のきっかけで大相撲の「呼出(よびだし)」となり、相撲部屋・朝霧部屋へ。呼出とは、場内で力士の名を呼ぶほか、懸賞旗を巻いたり太鼓を叩いたり、さらには地方巡業で土俵を作ったりする裏方の仕事です。

志や目的を持たず始めた仕事だった篤ですが、力士や先輩呼出との共同生活を通じて、次第に「ここにいたい」「この仕事が好きだ」という気持ちを抱くようになります




裏方視点で学ぶ心の変化

成長という言い方があまり好きではないので、あえて変化という言い方をさせていただきます。


裏方視点。なんといっても大相撲の「呼出」ですから、中高生たちがどれほど「呼出」という仕事の存在を知っているのでしょうか? 漠然と過ごしていた高校中退直後の篤が、裏方としての責任や誇りを感じ、自ら居場所を見つけていく姿を、読者は文章を追いながら体感できます。


相撲自体が主題ではなく、支える人々の姿にフォーカスすることで、一般的な相撲への興味とは別の魅力に気づかせてくれます。


人は社会的な生き物ですから、あらゆる人の支えや関係性によって生きて参ります。「裏方」馬鹿にするなよ??笑といったテーマも高校入試では頻出です。


高校入試としての恣意的な道徳性があるようにも思いますが、読んで面白いこと間違いなしです。









東京都で出題された小説「雪の名前」を解いてみた。

全国の国語の問題をすべて解く気になれないので、ふわっと面白そうなタイトルを選んで、そのタイトルを出題している都道府県の問題だけチョロッと解いてみる私のスタイル笑。


総評

難易度 普通
(むしろ易)


「傍線部の近くに答えはある」なんて公式を信じてはいけません。全体を読まねば選択肢は絞り切れません。国語の問題集の解説には「何行目に~~と書いてある」と書かれていますが、もうちょっと生徒の心に寄り添ってちょろっと解説を書いてみることに致します。


大問3

問1 


選択肢ア

「よし江が言わせた」が違う。そのような描写がない。


選択肢イ

「起こす約束」はしていない。


選択肢ウ

「ヨシ江」って誰??と考えてしまったら選択肢から外せないかもしれない。かなり後の方にならないと「祖母」だということが分からない。

さらに「地団太をふむ」ことから「悔しい気持ち」が正しいように思うが、悔しいと思ったのは起きた瞬間であって「え?」というセリフのかなり前の気持ち。

地団太を踏む→祖母を問い詰める→祖母のセリフを聞く→「え?」


選択肢エ 正解

仮に「ウ」で迷ったとしても「エ」を選びたいほどに分かりやすい選択肢。




問2 これもサラッと正解したい。


「自分で起きる」と言った→起きれなかった→という流れに対しての祖父「起きてこなけりゃ置いていくまで」→雪乃「祖父の言う通り」

↑これを整理すると「イ」が正解


選択肢ア

「あせり」→「不安」

焦りは良いが「不安」が読み取れない。


選択肢ウ

「同じ語句??え?どこが?」と思いたい!


選択肢エ

「押し黙って準備をする様子?どれが??確かに、セリフがないから「無言」のようにみえるが押し黙ってるかどうかは分からない」




問3



選択肢ア

「祖父を驚かせよう?」そんな描写は1つもない。


選択肢イ

「困惑」で迷いそうではあるが「なかなか気づいてもらえない」という描写はない。「やっと来たか」という祖父のセリフから「事実」として「祖父がなかなか気が付かない」と読めなくもないが、それにしても「なかなか気づいてもらえない雪乃の気持ち」からはずれている。


選択肢ウ 正解

傍線部(3)直後の内容を読めば「ウ」が正解だとわかる。


選択肢エ

良さそうな雰囲気を醸し出しているが「気が付くまで待つということでしか誠意を示さない」が明らかに違う。「どうやって謝ろうか考えている」のであって「待つしかない」と決断している描写はない。



問4



選択肢ア 正解

「きっと来るだろう」とは読み取れない気もするが「祖母のセリフ」に、祖父が「きっと来る」と思っている様子は読み取れる。傍線部2~傍線部3の真ん中ぐらい。

「うれしそう」に関しては傍線部(4)の直後に書いてある。


選択肢イ

「ひ孫を持て余してる」「反省を促そう」とはどこにも書いていない。むしろ「反省する必要がない」と読み取れる。


選択肢ウ

「身支度が遅いから置いてきた」「照れ隠し」が不適当。


選択肢エ

「雪乃の昨日の心無い発言を大目に見る」?ん?「心ない発言」がないから「大目にみる」はおかしい。優しく雪乃を受け入れている理由が違う。



問5



選択肢ア 

ここまでの問題を正解していれば「ア」が全く違うということが分かる。
「曾祖父母に起こされた」など


選択肢イ

「曾祖父がけがをしていた」から迷うかもしれないが、時系列もおかしい、「治った」はいいすぎ?

1か月前に手伝った→1か月の気持ちを聞いている→1か月後の冒頭→おにぎりの様子を見て「だいぶ良くなったと感じた」


選択肢ウ

「曾祖父の経験」より「父の研究」のほうが優れているとは書いていない。両方大事だと書いている。


選択肢エ 正解


「曾祖父のやり方にとらわれない」ということで絞り切れないかもしれないが、「曾祖父の経験」を「鵜呑みにするのではなく」と書いているので正解。


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