ブログが途切れがちです。
途切れたらまた再開すればよい。
それだけのことなので、書きます。
英語の話。
大学受験。
英語が大学受験レベルを決めて、
数学が合否を決める。
つまり、
英語を避けて受験可能な大学は、かなり少ないのです。
音読を勧める動画は、山ほどある
「音読が大事」
これ、今さら誰も否定しないと思います。
YouTubeで「英語 音読」と検索してみてください。
何百本と出てきます。
しかも、語られている内容はだいたい正しい。
- 黙読は読み飛ばしが起きる
- 声に出すと語順が体に入る
- 意味のカタマリで区切って読む
- 音声を聞いてから真似する(シャドーイング)
- 1つの文章を10回、20回と繰り返す
どれも、その通りです。
私が付け足すことは、ほとんどありません。
問題は、そこではない。
「で、それをやれるのか」
ここです。
「正しいやり方」を知っていても、一人ではできない
音読というと堅苦しいのですが、上記のような所謂音読ではなく文法問題を解きながらの軽いブツブツ音読も含みます。
私は、ここ5年ほど、生徒に音読をさせ続けてきました。
やっぱり痛感してしまいます。
音読は、一人でやると、たいてい失敗する。
動画を見て納得した子が、動画の通りに家で一人でやってみる。
あまり伸びません。
なぜか。
一人の音読で、実際に何が起きているか
① 読み間違えたまま、100回読む
これが一番怖いのです。
音読は「声に出して、自分の耳で聞く」ものです。
ところが、自分の間違いは、自分の耳には聞こえません。
throw を「スルー」だと思っている子は、100回読んでも「スルー」のままです。
むしろ、100回読んだせいで、間違いが定着します。
「量をこなせば身につく」は、正しい読みをしている場合に限った話なのです。
② 読めない単語が出た瞬間、止まる
長文を読んでいて、知らない単語が出る。
読み方が分からない。
さて、どうするか。
辞書を引く?
発音記号を読む?
音声を探す?
……面倒ですよね。
たいていの子は、そこを適当な音でごまかして通過します。
あるいは、その一語で止まって、そのままスマホを触り始める。
音読が途切れる場所は、たいてい「調べるのが面倒になった場所」です。
③ どこで区切ればいいか分からない
動画では「意味のカタマリで区切りましょう」と言います。
正しい。
でも、その「意味のカタマリ」が分からないから長文が読めないのです。
順番が逆なんですね。
正しくは、「意味のカタマリの勉強(文法)」と「感覚」の両輪がバランスよく必要です。
区切れない子が自己流で区切ると、意味の切れ目と違うところで切ります。
そして、その間違った切り方が固定されます。
「わた/しは日本人です。」と読んでいるかの如くです。
「わた」と「し」が別々の単語?
または「私はあなたが、日本人だというこ、とを知っている。」
👆「、」の打ち方も優しくないからリズムが悪いし、、、、
これも、やればやるほど悪化するパターンです。
④ 「何回読めばいいのか」が分からない
10回? 20回?
回数が目標になると、音読は作業になります。
口だけ動いて、頭は別のことを考えています。
声に抑揚がなくなるので、横で見ているとすぐ分かります。
抑揚がつけられないということは、「意味のカタマリ」の感覚的理解に乏しいとも言えます。
本来、音読の終わりは「回数」ではなく「つっかえずに、意味を感じながら読めたとき」です。
でも、それを判定できるのは、多くの場合、自分ではありません。
⑤ 意味の分かっていない文章を読んでいる
これも多い。
和訳をやっていない文章を、いきなり音読している。
音は出ていますが、頭の中は空っぽです。
音読は「理解した文章を、体に落とし込む」作業です。
理解の前にやっても、効果は薄い。
⑥ 単純に、恥ずかしい
家族のいるリビングで英語を音読する。
中学生には、けっこうハードルが高い。
部屋にこもっても、隣から聞こえていると思うと声が小さくなる。
小さくなると、聞こえなくなる。
聞こえなくなると、それは黙読です。
⑦ 効果が、すぐには見えない
これが、とどめです。
音読を1週間やったところで、テストの点は上がりません。
上がるのは3か月後、半年後です。
効果が見えないものを、一人で続けられる中学生は、ほとんどいません。
でも、本当に大事なことは、一見目先の役に立たないことです。
だから、横に人がつく
ここまでが、私が5年ほどかけて確認してきた「音読が続かない理由」です。
全部、根性の問題ではありません。
一人では判定できないという問題です。
- 読み間違いを指摘する人
- 読めない単語を、その場で教える人
- 区切る場所を直す人
- 「今のはOK」「今のはもう一回」と言う人
- そもそも、声を出させる場所
これが揃って、初めて音読は機能します。
だからWillbeは、そこに人と時間を突っ込んでいます。
Willbeがやっていること
中学英文法がある程度そろってきた中学3年生春以降、全力で英語長文に取り掛かります。
もちろん、中学1~2年生や小学生もとにかく声に出して英語の学習を行います。
声を出さないことは許されません。
週70分×2回。
この時間を、まるごと英語長文に使います。
塾長の私だけではありません。
アルバイトの大学生を総動員して、生徒1人につき週70分×2回。
実際には、
単語→文法チェック→構造→口頭和訳→音読
の手順ですから、70分間永遠に音読をしているわけではありません。
やっていることは、地味です。
横について、読ませる。
つっかえたら止める。
区切りが変だったら、直す。
意味が取れていない箇所は、そこで説明する。
読めない単語は、その場で言わせる。
それだけです。
派手さは、まったくありません。
でも、動画を見て「音読、大事なんだな」と納得して帰った子と、横で70分読まされた子とでは、3か月後に差が出ます。
知っているかどうかではなく、
自分の間違いや分かっていないところを指摘されながら、
やったかどうかだからです。
英語長文が読めない理由は、だいたい3つ
ついでに整理しておきます。
「単語テストはできる。文法も一応やった。でも長文が読めない」
この状態の原因は、だいたいこの3つです。
① 単語だけ覚えている
単語 → 文法 → 長文
という順番で考えがちですが、実際には
長文の中で単語を覚えていく
方が自然です。
英語は、単語の意味ではなく、文の流れで意味を決める言語だからです。
② 英文の構造が見えていない
英語は語順の言語です。
主語。動詞。目的語。
これが見えていないと、単語を一つずつ訳して、途中で迷子になります。
長文が読める人は、単語ではなく構造を見ています。
③ 長文を読んだ経験が足りない
これが一番多い。
単語と文法ばかりやって、長文をほとんど読んでいない。
スポーツと同じで、長文は長文を読まないと上達しません。
そして、この3つを同時に解決する方法が、意味の分かった長文を、正しく区切って、声に出して繰り返すことなのです。
結局、音読に戻ってくる。
小学生も、同じことをやっています
小学生たちは今、漢字検定に向けて過去問演習に入っています。
過去問をやるときも、辞書を引かせます。
そして、訓読みにこだわるよう声をかけます。
これ、点数には表れません。
辞書を引いている分、演習量はむしろ減ります。効率で言えば最悪です。
でも、やります。
「果」は「はたす」。
「承」は「うけたまわる」。
そこを通っておくと、後で「果敢」や「承諾」に出会ったときに、意味が推測できるようになるからです。
そして、これも一人ではやりません。
「辞書を引け」「訓読みを見ろ」と、毎回言う人がいるから引くのです。
英語の音読と、まったく同じ構造をしています。
音読は、3つの段階を踏んでいる
最後に、なぜ音読がそこまで効くのかを整理しておきます。
① 感覚としての音読
目で文字を見る。口を動かして声を出す。自分の声を耳で聞く。
視覚・運動・聴覚を、同時に使っています。
「学校の授業を聞ける」「人の話を聞ける」というのは、つまりこの能力のことですよね。
② 認知としての音読
読んだ言葉が脳に入る。そして、人に伝わるように読める。
インプットと、アウトプット。
③ 発展段階
文章の意味がわかる。内容について考える。内容を味わう、共感する。
ここまで来て、ようやく「読めた」と言えます。
まずは、人に伝わるように読むことを目指しましょう。
小学生や中学生の音読を聞いていると、音読の上手さと学力が比例することを、まざまざと実感します。
「読む力」が不足しているせいで、本来の「頭の良さ」を発揮できていない子が、本当に多い。
逆に言えば、そこが整えば、ちゃんと出てきます。
(脳科学者の加藤俊徳さんがそんなことをおっしゃっていたなあ、と思い出しながら書きました。受け売りです)
おわりに
音読を勧める動画は、山ほどあります。
内容も、だいたい正しい。
でも、動画が教えてくれないのは、それを一人でやろうとしたときに何が起きるかです。
読み間違いに気づけない。
区切りが分からない。
面倒になって止まる。
効果が見えなくて続かない。
だから、横に人がつく。
そこに人件費と時間を突っ込むのが、塾という商売なのだと思っています。
地味ですけどね。
さて、私も2週間止まったブログを再開したところです。
キミ達に「毎日やれ」と言っている以上、私も書き続けないといけませんね。
これも、誰かが横で見ていてくれると続くのでしょうか。
音読のあと、Willbeが何をしているのか。
長文が読めるようになるまでの手順は、こちらに書きました。

