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「差別や人権に興味がある」と語る受験生が絶対に読むべき本【推薦・小論文対策】

Willbe図書館

こんにちは。

兵庫県赤穂市の進学個別指導塾Willbeの光庵(こうあん)です。

大学入試において「総合型選抜(旧AO入試)」や「学校推薦型選抜」が取りざたされるようになって、随分と時間が経ちました。

今や多くの大学・学部で、学力テストだけではなく、受験生本人の「興味・関心」の説得力が合否を分ける重要な評価基準となっています。

毎年、教育学部や社会学部、国際系の学部を志望する高校生たちと面談していると、志望理由書や面接のテーマとしてこんな言葉をよく耳にします。

「私は、世の中の差別問題人権について興味があります!」

「誰もが平等に生きられる社会を作りたいです!」


私は思うのです。

他人の「興味・関心」に文句をいうつもりは全くありません。それはとても立派で、素敵な志です。

ただ、推薦入試において「差別」や「平等」といった壮大で重いキーワードを自分のテーマとして戦うのであれば、「少なくともこれぐらいの専門的な書籍は読んでいて当然だよね」と、大学の先生方は思っているのです。



探究学習」や「テレビ」で興味を持った後、あなたは何をしたか?

高校生に「なぜ差別問題に興味を持ったの?」と深掘りしていくと、多くの場合、こんな答えが返ってきます。

  • 「テレビのニュースやドキュメンタリーを見て、可哀想だと思ったから」
  • 「ボランティアや地域のイベントに参加して、興味を持ったから」
  • 「学校の『総合的な探究の時間(探究学習)』でSDGsについて学んだから」


いずれも、入り口としては非常に素敵なことです。

しかし、大学の推薦入試において「興味・関心を持っています」と面接官に主張するならば、そこには必ず「具体的行動」が伴っていなければなりません。

具体的な行動とは、決して高額なお金を払って海外留学に行き、特別なボランティア体験を買うことではありません。



小論文や面接の特効薬『「差別はいけない」とみんないうけれど。』


「じゃあ、具体的にどんな本を読めばいいの?」

という高校生に、Willbe図書館から強烈にオススメしたい一冊があります。

「差別」「平等」「ポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)」「人権」といったキーワードが少しでも気になる高校生や大学生なら、絶対に読んでおくべき解説書です。

『「差別はいけない」とみんないうけれど。』 綿野 恵太・著

タイトルを見て、「そりゃそうだ、差別はいけないに決まってるじゃん」と思った人ほど、この本を読むと頭をガツンと殴られるような衝撃を受けるはずです。

【要約】なぜ「差別はいけない」と言いながら、差別はなくならないのか?

本書の中心的な問いは、「誰もが『差別はいけない』と言える時代になったのに、なぜ差別やハラスメントはなくならないのか?」というものです。

著者の綿野さんは、この問いへの解として、従来の「アイデンティティ・ポリティクス(属性・立場に基づく差別批判)」と、近年拡がる「シティズンシップ(市民・平等な存在としての論理)」という二つの差別批判の論理の変遷に注目します。

差別が問題視されはじめた頃は、差別を受けた「当事者」だからこそ、当事者が問題を訴えて周囲の人間に理解されるという側面がありました。

しかし今日では、当事者だけではなく「市民として差別を許さない」という考え方が台頭しており、差別の批判や規制は当事者だけのものではなくなっています。

実は、一見関係なさそうな人が正義感から差別を語ることに、世間は「反発・反感」を持ちやすく、それが問題をさらに複雑化させているのです。 当事者が訴えても、関係のない他人が訴えても、「属性に囚われ過ぎて対立を深める」「抽象的すぎて具体的支援になりにくい」といった弱点があります。著者は「どちらが正しいか」と白黒つけるのではなく、両者の間で思考と実践を重ね続けることの重要性を説いています。

具体的な「解決策」が書かれているわけではありません。

しかし、現代の差別問題を考えるうえで、「差別」という言葉がどのように使われてきたのかを体系的に理解するためには、これ以上ない一冊です。


意地悪な質問

「あなたはバスで、大きな黒人男性の隣に座れますか?」

ここで少し、弊塾(Willbe)でのエピソードをお話しさせてください。

Willbeでは他塾に協力していただき、月に1度「映画で学ぶ知の技法」という授業を開催しています。

これは国語の授業なのですが、「国語(現代文)を通して社会を学ぶ」という意図があります。 社会問題を扱った映画に限定しているわけではないのですが、しっかりしたストーリーの映画であれば、大小あれど必ず「差別」といったテーマが描かれています。(黒人問題などが分かりやすい事例でしょう。)

映画を観た中学生や高校生達は、小論文や感想文で口をそろえてこう書きます。 「『差別』はいけないと思います。」

そんなの、当たり前です。

差別は良くないに決まっています。

そこで、意地悪な私は彼らにこう問いかけます。

「では、バスや電車に乗った際、あなたは大きな黒人男性の隣に、何も気にせず座ることは出来ますか?」

すると彼らは一様に考え込み、「出来る/出来ない」と真剣に悩み始めます。

ここに、差別問題の恐ろしい難しさが隠れており、正々堂々と「差別はいけない」と言いにくい側面が隠れているのです。(そもそも、私が「黒人」というワードで事例を出した時点で、何かがおかしいことにも気づかなければなりません。)

私たちは「無意識」に差別をしているという事実

つまり、本書でも少し触れられていますが、「人間には差別的な振る舞いをしてしまう生まれつきの性質」が備わっているのです。 「ヒト」が生き残るために集団で生活を送るようになって以来、「私達(内)」と「私達ではないもの(外)」の区別が始まってしまったからです。

私達は「道徳心」がないから差別をするのではありません。「無意識」に差別をするのです。

現在の「差別問題」は、当事者ではない者からすれば、「頭の良いエリートたちの戯言」に見えてしまう側面があります。差別として問題視される事例があまりにも多すぎるのです。YouTubeやX(旧Twitter)で流れてくる「#MeToo」や「パワハラ・ハラスメント」の告発合戦に、正直、辟易としてしまう経験がある方もいらっしゃるでしょう。

辟易とする気持ち自体を否定することも出来ません。本質的に「当事者でないと分からない痛み」を経験していない者が、それを完全に理解することは不可能に近いからです。

私たちが絶対に忘れてはいけないこと。それは、「私たちは、知らないうちに差別してしまっている事」がいくらでもある、という残酷な事実です。 こういった問題を考えてみるたびに、「自分も知らない間に差別しているということだけは、常に自覚しておこう」というのが、私の結論です。


面接官を唸らせる「メタ認知」は読書から生まれる?

推薦入試や総合型選抜の面接において、薄っぺらい言葉で「平等な社会を~」と語る高校生は、面接官である大学教授からすればすぐに見透かされます。

しかし、今回紹介した『「差別はいけない」とみんないうけれど。』のような本を読み込み、

  • 「人間には無意識に区別(差別)してしまう性質がある」
  • 「外野が正義感で語るポリコレが、かえって対立を深めることもある」

といった「メタ認知(一段高い視点からの客観視)」を持った上で書かれた志望理由書や小論文は、圧倒的な説得力を放ちます。



💡 あわせて読みたい:

志望理由書の「本質」とは?

本を読んでテーマを深く掘り下げたら、次はいよいよ「志望理由書」の執筆です。大学教授を唸らせる鉄壁の志望理由書は、単なる大学へのラブレターではありません。

「志を語る」ための具体的なステップをまとめました。

👉 [ 🔗 志望理由書を作るために➀【鉄壁の志望理由】]

👉 [ 🔗 志望理由書を作るために②【ラブレターなのか?】]



「考え方」「法律」「政治制度」という多角的な観点から堂々巡りの差別問題を言語化できるようになれば、大学の面接官は間違いなくあなたを「本物の知性を持った学生」として高く評価するでしょう。

「差別」や「人権」に興味を持ったなら、まずはこの一冊から、本物の探究を始めてみませんか?

Willbeの自習室には、君たちの知的好奇心を満たし、入試の最強の武器になる本が、今日も静かに待っています。



📚 国語・小論文対策の裏ワザ

小難しい社会問題や哲学を理解するために、新書や専門書ばかりを読む必要はありません。実は「良質な小説」を読むことでも、今回紹介したようなメタ認知(一段上の視点)は十分に養われます。その驚きのカラクリはこちら。

👉 [ 🔗 高校入試の国語になぜ「小説」が出題されるのか?論説文の読解力が上がる本当の理由 ]

この記事を書いた人
光庵良仁

個別指導塾Willbe塾長(代表)
光庵 良仁
(コウアン ナガヒト)

●1983年6月17日生
●赤穂市出身
●赤穂高校卒
●立命館アジア太平洋大学卒

2019年3月兵庫県赤穂市に「個別指導塾Willbe」を開校。Willbe理念は「赤穂市に最高の大学受験環境を」。

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