中学受験する子が強い本当の理由は「線分図が描けること」|公立中学へ進む子こそ、絵を描く習慣を

「算数は絵を描け、描けば、わかる!」というメッセージと、図形や分数の手書きイラストが描かれたノートの画像小学高学年

赤穂市の進学個別指導塾Willbe

光庵(こうあん)です。


この記事のポイント

  • 中学受験経験者が中学・高校で強い理由は「線分図が描けるかどうか」
  • 線分図は才能ではなく、低学年からの「絵を描く姿勢」で身につく
  • 植木算10問で、お子様の「絵を描く力」をチェックできます
  • 中学受験をしないご家庭こそ、意識的に育ててほしい習慣です

「中学受験をしない子と、中学受験をした子の差って、何ですか?」

私の答えは、いつも同じです。

「線分図が描けるかどうか、です。」

語彙力でも、

計算スピードでも、

解いた問題の量でもありません。

中学受験を経験した子が、中学・高校に上がってからも数学に強い理由は、「分からない問題に出会った時に、すぐ図を描き始める手の動き」を、小学生のうちに体に染み込ませているからです。

中学受験している子でも「絵を描かない子」は、結局、数学が苦手だと思います。

  • 数字

の区別がつかないからです。

今日は、この「絵を描く姿勢」の話をします。


線分図とは何か?

小学生が描いた線分図の例|赤穂市の進学個別指導塾Willbe

線分図とは、

文章題の条件を1本の線で表現する手法です。

たとえば、

田中さんは飴を5個持っています。

佐藤さんから3個もらいました。

今、何個持っていますか?

これを線分図で描くと、こうなります。

田中さん:|─5個─|─3個(もらう)─|
              
合計?

この1本の線を引けるかどうかで、子どもが文章題に向き合う姿勢がまったく変わります。


線分図が描ける子は、何を獲得しているのか

線分図を描くという行為の中には、

  • 問題文の条件を整理する力
  • 数の関係を視覚化する力(量、数、数字)
  • 「全体」と「部分」を意識する力
  • 答えにたどり着く道筋が見える力

——これだけの能力が同時に動いています。

逆に言えば、線分図を描けない子は、問題文を「文字の羅列」のまま頭の中で処理しようとしているということです。

これは、想像以上に高度な作業を、無謀に挑んでいる状態です。

大人でも、5つ以上の条件を文字だけで頭の中で整理するのはしんどいのに、子どもなら、なおさらです。


完璧な線分図じゃなくていいんです

ここで、よく勘違いされていることを一つ。

完璧な線分図を描く必要は、まったくありません。

定規でまっすぐ線を引く必要も、長さを正確に比例させる必要も、ありません。

(本当は、長さを正確に比例させた方が良いですが、それは、後でもOKです。)

ヘロヘロの線分図でも考えようとする姿勢が大事|非中学受験 線分図

これぐらいできれば

目標80%到達です。

大事なのは、「線を引いて、考えようとする姿勢」です。

ヘロヘロの線でいい。

途中で消して描き直してもいい。

問題文を読んで、「とりあえず手を動かして、何か描いてみる」

それが出来れば80%大丈夫です。


絵が描けるようになれば、線分図も描ける

「うちの子、絵が下手だから……」

そうおっしゃる保護者様もいます。

でも、お絵描きの上手・下手は、線分図とは関係ありません。

線分図は「絵」ではなく、「条件を可視化するための、ただの線」です。

ただ、面白いことに、幼児期から自由に絵を描いてきた子は、線分図への抵抗感がほぼゼロです。

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なぜなら、

  • 紙の上に何かを描くことに慣れている
  • 「思ったことを線にする」感覚が身についている
  • 描いては直し、直しては描く、を繰り返してきた

——という経験を、すでに積んできているからです。

逆に、幼児期に

「タブレットでなぞるだけ」
「色塗りアプリで色を選ぶだけ」

しかしてこなかった子は、いきなり「自分で何かを描く」と言われると、固まります。

線分図以前に、「手で線を引くこと」が怖いんです。

幼児期から自由に絵を描いてきた子は線分図への抵抗感が少ない

だから、低学年のうちに絵を描く習慣を

中学受験塾に通っている子が、5年生・6年生で線分図をスラスラ描けるのは、4年生までに地道に練習してきたからです。

中学受験をしない子だって、幼児期から低学年のうちに、絵を描き、図を描き、手を動かしてきた子なら、同じことができるようになります。

逆に、「文字だけで考えるクセ」を中学まで放置すると、中1の数学でいきなり詰まります。

特に、

  • 関数の問題(グラフが描けない)
  • 図形の問題(補助線が引けない)
  • 文章題(情報を整理できない)

——これらは、「絵を描く姿勢」がない子から順番に脱落していく単元です。

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「うちの子、中学受験しないから関係ないわ」

と思っていると、

中学生になってから取り返しがつかなくなる

のです。


植木算は、中学受験「だけ」のテーマじゃない

ここで、よく中学受験のテーマとして知られている「植木算」の話をします。

植木算とは、こういう問題です。

「まっすぐな道に、木が6本並んでいます。木と木の間はどこも5mです。端の木から端の木までは何mですか?」

中学受験塾では、これを「植木算」というジャンルとして、しっかり時間をかけて教えます。

なぜなら、「数の数え方の本質」が詰まっているからです。

  • 木の本数と、間の数は違う
  • 端を含めるか、含めないか
  • 直線なのか、円周なのか

——これらを意識せずに、雑に「6×5=30m」と答えてしまう子が、本当に多いんです。

正解は、端の木から端の木まで間は5つなので、5×5=25m

「公立中学に進学する子は、植木算を知らなくていい」

そんなわけ、ありません。

植木算で問われているのは、

「条件を読み取る力」
「数を正確に数える力」
「絵を描いて確認する力」

——どれも、中学・高校・大学・社会人まで一生使う力です。

中学受験する子だけが、こんなに大事な力を独占している

——この現状の方が、私は問題だと思っています。


実際に解いてみましょう

ここから、塾長の宿題です。

以下の10問、

必ず絵や図を描いて解いてみてください。


(1) 旗が3本立っています。旗と旗の間は20cmです。端から端までの長さは何cmですか。

(2) 人差し指から小指までの、指と指の間にビー玉を1個ずつはさみます。ビー玉は何個必要ですか。

(3) 3日から6日までは何日間ですか。

(4) マラソンコースの5km地点から10km地点までの長さは何kmですか。

(5) 1本の丸太を4回切りました。丸太は何本に分かれましたか。

(6) まっすぐな道に、木が6本並んでいます。木と木の間はどこも5mです。端の木から端の木までは何mですか。

(7) ゆりさんは、本を12ページから18ページまで読みました。何ページ読みましたか。

(8) 階段を1階から4階まで上ります。1階分の階段は10段です。全部で何段上りますか。

(9) テープの両端と その間に 印を付けたところ、印は全部で 5つに なりました。さらに、印と印の間を それぞれ小さい点で 4つに分けたところ、小さい区切りは どれも 6cm でした。テープの長さは 何cmですか。

(10) 丸い池の周りに、木を8本植えます。木と木の間はどこも3mです。池の周りの長さは何mですか。


答え

(1) 40cm
(旗3本だと間は2つ。20×2=40)

(2) 3個
(指は5本、間は4つ……あれ?でも親指は含めない。人差し指・中指・薬指・小指の4本で、間は3つ)

(3) 3日間
(3日・4日・5日・6日……数え方によります。「3日から6日まで」だと3日間)

(4) 5km
(10-5=5)

(5) 5本
(4回切ると、5つに分かれます)

(6) 25m
(木6本だと間は5つ。5×5=25)

(7) 7ページ
(12・13・14・15・16・17・18の7ページ)

(8) 30段
(1階から4階に行くには、間が3つ。10×3=30)

(9) 96cm
(印と印の間1つ分は 6cm × 4 = 24cm。印が5つだと間は4つなので、24cm × 4 = 96cm)

(10) 24m
(円周上だと、木の本数=間の数。3×8=24)
(直線状だと、3×7=21)


何問、絵を描いて解きましたか?

ここで、もう一度問いかけます。

お子様は、何問、絵を描きましたか?

絵を描かずに頭の中だけで解いた子は、おそらく半分以上間違えています。

絵を描いて解いた子は、たぶんほぼ全問正解できます。

これが、「絵を描く姿勢」の威力です。

ちなみに、(10)の丸い池の問題は、植木算の中でも「円周上は本数と間の数が同じになる」という、ちょっとした罠が仕込まれています。

これも、絵を描かないと気づきません。


中学受験しない子に、こそ伝えたい

中学受験塾は、こういう「絵を描いて考える練習」を、4年生からの3年間、徹底的に積みます。

だから、中学受験を経た子は、中学に入った瞬間から強い。

でも、それは才能でも、特別な教材でもないんです。

ただ、3年間、絵を描き続けてきた

——それだけの違いです。

つまり、中学受験をしない子でも、同じことをやれば追いつけます。

低学年のうちから、

  • 文章題に出会ったら、まず絵を描く
  • 分からない時は、線で表現する
  • 計算する前に、図で確認する

——この習慣を、家庭でも意識的に作ってあげてください。

先ほどの問題は、確率、1次関数、などなど中学高校の数学で嫌というほど出てきます。

「数」「数量」「数字」の区別はそれほどまでに難しい事なのです。

ドリル10冊買うより、はるかに効果的です。


まとめ|手を動かす子だけが、伸びていく

最後に、もう一度。

中学受験する子が強い本当の理由は、「線分図が描けること」です。

そして、線分図は特別な才能ではなく、「描こうとする姿勢」さえあれば、誰でも身につけられる技術です。

完璧じゃなくていい。ヘロヘロでいい。

「分からない問題に出会った時、まず鉛筆を持って、何か描き始める」

——この習慣だけで、お子様の算数は劇的に変わります。

中学受験をしないご家庭こそ、この「絵を描く姿勢」を、家庭で意識的に育ててあげてほしいのです。

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Q
中学受験しないなら、線分図は学ばなくていいですか?
A

いいえ、むしろ中学受験しない子こそ必要です。5年生の割合を理解しにくくなります。中学・高校の数学で関数や図形を扱う時、線分図の発想がないと文章題で詰まります。

Q
線分図はいつから教えればいいですか?
A

小学1〜3年生から少しずつ意識させるのが理想です。最初は、りんごの絵を描くだけでも良いと思います。それ以前は「絵を描く・線を引く」習慣を作るだけで十分です。

Q
うちの子は絵が下手ですが、線分図は描けるようになりますか?
A

大丈夫です。線分図はお絵描きの上手・下手とは関係ありません。「思ったことを線にしてみる」ことに慣れていれば、誰でも描けるようになります。

Q
中学受験塾に通わないと、植木算は身につきませんか?
A

家庭でも十分に練習できます。本記事の10問を、お子様と一緒に絵を描きながら解いてみるだけで、感覚は身につきます。また、植木算は中学受験の特殊用語に見えていますが、小学生としても当たり前の考え方です。

この記事を書いた人
光庵良仁

個別指導塾Willbe塾長(代表)
光庵 良仁
(コウアン ナガヒト)

●1983年6月17日生
●赤穂市出身
●赤穂高校卒
●立命館アジア太平洋大学卒

2019年3月兵庫県赤穂市に「個別指導塾Willbe」を開校。Willbe理念は「赤穂市に最高の大学受験環境を」。

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