プルートゥ【浦沢直樹】全巻おいてみた!!

今月は今更ながらプルートゥを全巻置いてみました。
今までは避けておりました。かなり昔の漫画ですし、浦沢直樹さんですし笑テーマもちょっと小中学生にしては小難しいですし。
少しだけ背景をご説明いたします。
赤穂市の個別指導塾Willbeは、月に1回程度、他塾主催の映画の授業に参加させていただいております。
4月度は先週の日曜日に行いました。映画のタイトルは「ネバーエンディングストーリー」でした。
中学生の1人が映画が終わると同時に、
「どうして大人は子どもにハッピーエンドの話しか観せない/読ませないのですか?」
と聞いてきました。
私としてはそんなつもりは毛頭ないのですが、言われてみればそうかもしれません。そもそも「ごんぎつね」はハッピーエンドなのか??でも確かに、公立高校入試という意味では、やわらかいハッピーな物語しか出題されません。「そりゃそーだろう」とは思うのです。中学生の青春にまつわる話が多いのも当然なのです。
その日のうちに、中学生達には、
①エンタメとしての小説/映画
エンタメということは、非日常を味わいリフレッシュするということが目的になるので、相当マニアックな人以外は、ハッピーエンドを求めると思う。
②恐れている。
ハッピーエンドという言い方が適切かどうかは、分かりませんが、ハッピーエンドではない思想に染まる?ことを大人は畏れているかもしれません。例えば、Willbeに「僕らの17日間戦争」という本がおいてありますが、私も少し怖いと言えば怖いのです。
別段物語として消化してくれれば良いですし、感じてくれるものがあるといえばそれで良いですが、「ぼくらの7日間戦争」を読んで、無秩序な行動や反抗を肯定していると思われるのは嫌です。そういう意味では大人は子どもを信用しきれてないのかもしれません。
③どこで終わるか問題
ハッピーエンドという言い方からすればハッピーな物語が多い訳ですが、よくよく内容を見てみると、ストーリーのどこで物語を終わらせているのか問題もあります。
映画の授業で言うと「メッセージ」「ギフテッド」「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」が終わった後に、中学生や高校生達は「『ハッピーエンド』に見えるが、映画の終わりの先を想像するととてもハッピーエンドには見えない:といった感想を書いてくれていたりします。
人生山あり谷ありですからね。谷で終わればバッドエンドです。しかし、映画の途中はバッドです。そういう側面もありますね。
一見、ハッピーエンドに見えるけど、本当にそうなんかな?とか考えてみると視野が広がるのだと思います。
④大人の事情〇〇警察
センシティブな内容を高校入試に登場させたとして、やはり社会からの批判はあるのだろうと思います。殺人だとか人間の嫌な部分が描かれている内容を読ませることは、やはり「②恐れている」と混ざって〇〇警察は登場するのだろうと思います。
と言ったことを伝えました。
「ぼくらの7日間戦争」
東京の下町にある中学2年生の男子生徒たちは、先生や親の厳しい管理や理不尽な校則に不満を持っていた。ある夏休み、彼らは学校や親に内緒で、廃工場に立てこもる「大人への反乱」を決行する。そこを拠点に「大人たちへの抵抗」と「自由な世界づくり」を始め、新聞を発行したり、知恵と工夫で様々な問題を乗り越えていく。しかし、大人たちが子どもたちを捕まえようとする中で、仲間の団結や信頼が試される出来事が起こる。やがて、単なる反抗心だけでなく、「自分たちの生き方とは何か」「本当に大切なことは何か」に気づいていく――。
ふと、
考えていました。
兵庫県公立高校入試国語において「計算する生命」(森田真生)が出題されたのは、2022年のことです。ざっくりと「AIと人間」がテーマです。
そういう意味で、まだまだ「AIと人間」といった内容で書かれた小説や映画というのは、(SF?)現代を考えるうえで、まだまだ役に立ちますね。
冒頭の彼としては、大人の階段を昇り始めたのかもしれません。
良いことです。
ならば
直接的に、
ハッピーなのかバッドなのかよく分からない話をもっとおいてやろう!!
プルートゥーあらすじ【鉄腕アトムのスピンオフ??】
高度に発展した未来社会。人間とロボットが共存する世界で、世界最高峰のロボットたちが次々と「何者か」によって破壊される事件が起こる。
主人公は、ロボット刑事「ゲジヒト」。冷静沈着で感情を持たないはずの彼が、調査を進める中で次第に「怒り」や「悲しみ」といった感情を芽生えさせていく。
事件の核心には、謎の存在「プルートゥー」、そして“地上最強”と称された少年ロボット「アトム(天馬博士の息子)」の存在があった――。
プルートゥでは、ロボットであるはずのゲジヒトやアトムが「心」や「記憶」に苦しみ、人間以上に人間らしい姿を見せます。そのような世界では「人権」ならぬ「ロボット権」を認めるように主張する民衆がいます。これは現代風にいうと「ペットが人であるか?ペットが家族であるか?家畜であるか?」という問いに等しいのでしょう。
他人事ではありません。ペットを飼っていない私にすれば切実な問題ではないのですが、殺傷処分や野良猫にまつわる議論が赤穂市でも行われている現状を鑑みれば他人ごとではありません。
ロボットに人権を。
私が生きている間に、そのようなことが起こるのでしょうか?人間の脳みそについては、AIが再現してくれそうですが、絶対にロボットにはオーボエや尺八が演奏できないことを考えると、まだまだ遠い未来です。いまの小学生や中学生がオッサンになる頃にはどうなのでしょう笑
プルートゥーもモンスターも何がハッピーで何がバッドなのかはっきりしてくれません。そういう意味では、冒頭中学生の需要をみたしてくれるのかな??
でも、一見ハッピーエンドに見えてしまう物語も実はそうではないことには気が付いて欲しいなと思ったりは致します。エンタメとしては無粋です笑
モンスター【浦沢直樹】も全巻置いてみた

もうついでなので、モンスターも置いておきました。
とりあえずおいておきます。
あとは知らん笑
モンスターあらすじ
天才的な腕を持つ日本人脳外科医・天馬賢三は、ドイツの病院で将来を期待されるエリート医師だった。ある日、瀕死の少年ヨハンの命を助けるが、それによって後に起こる一連の残虐な事件の引き金を引いてしまう。
数年後、ヨハンが「モンスター」として恐るべき存在になったことを知った天馬は、自分の過ちを正すために旅に出る。そして彼は、ヨハンとは何者なのか、人間の中の「本当のモンスター」とは何なのかという深い問いに直面していく――。
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後に起こる一連の残虐な事件の真相を追いかけてくるわけですから、まずサスペンス/ミステリーが好きな方は必見/必読です。
私はあまりミステリー小説を読まないのですが、モンスターにはハマりました。なんとなく冷戦だとか西ドイツや東欧といった歴史的背景が物語に説得力を持たせてしまっていますし、東欧諸国についてなじみのない日本人からすれば得体のしれない恐怖感が倍増してしまいます。
私がいつ頃モンスターを読んだのかは覚えていませんが、知らない世界は人を恐怖に落とし込むという視点でも面白いです。体験として。
この世の中に純粋な悪人がいるのかどうか私には分かりませんが、物語で登場してくるヨハンは「純粋悪」とされる存在です。しかし、モンスターを読み進めていけば「悪とは生まれつきなのか?育ちによるのか?」という疑問が湧きおこってくるのです。
主人公テンマは、善の象徴のような人物で、ジャンプの主人公のような存在ですが、そのテンマの善意が“怪物”を生んでしまったという皮肉な構図が深いです。怖いです。
塾生へのお知らせ
あの本を読みたいけれど、学級文庫や赤穂の図書館ではいつもだれかが借りている。そんな本があれば是非教えて下さいませ。
「Willbe図書館」においてもらえるかもしれないよ!
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