第2回漢字検定

8/21(木)準会場/赤穂市

詳しくはコチラ

アンナ・コムネナ【2025年7月⑥】赤穂の進学塾

歴史漫画




こんにちは


兵庫県赤穂市の進学個別指導塾Willbeの光庵(こうあん)です。




小学生や中学生が読んで、目先の点数ではなく、広い世界を知るという意味で賢くなりそうな本を、毎月、集めて本棚においております。


また、将来の夢や目標は「偶然の出会い」によるところが大きいです。誰といつ出会うのか?それは運です。違いがあるとするならば、出会いを求めてにいく習慣があるかないかでしょう。


一方で、人は「イメージ出来ない事」は実現できません。何にも出会わずに「将来の夢」「自己相対化」について考えるなど不毛なことでしょう。


賢い子(偏差値という意味ではなく)は、世の中を知っている。賢さは経験でも読書でも漫画でもどこからでも得ることが出来ます。


今回は、中世のプリンセス:アンナ・コムネナです。




中世のプリンセスが賢すぎた件について




アンナ・コムネナ

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

アンナ・コムネナ 5 (星海社COMICS) [ 佐藤 二葉 ]
価格:1,210円(税込、送料無料) (2025/7/26時点)




正直に申し上げれば、存じ上げなかった女性でしたが、読み始めてすぐにファンになりました。今では、頭の中がアンナ・コムネナ一色です。


私自身は世界史にはあまり自信がなく、冒頭の10ページほどは世界観に慣れるのに少し苦労しました。しかし、ビザンツ帝国特有の同じ名前が何度も登場するが別人問題も、制度的側面から何度も毎回説明してくれるので、パニックにならずに済みました笑。状況がつかめてくると物語にスッと入り込むことができ、2時間ほどで第1巻から第6巻まで一気に読み終えてしまいました。


ビザンツ帝国って変な帝国です。


歴史漫画は勧める相手を間違えると事故が起こりやすいのですが、はっきり言って、これは誰にでもおすすめできる漫画です。『キングダム』のような大ヒット作品にはならないかもしれませんが、読む人の心を確実に鷲掴みにする力があります。


私は、こちらの歴女養成シリーズに加える気満々であります。



アンナ・コムネナの生きた時代

アンナ・コムネナって誰?

・お父さんの伝記を書いた人

・お父さんについて書いた伝記があまりにも凄すぎて、歴史家たちがビザンツ帝国の文化や生活様式、っまたは十字軍について研究するときに読みまくった。

・賢過ぎて皇帝になろうとした??

・女性の社会進出にも重要な役割を果たした??

・子に勉強して欲しい親は福沢諭吉を引用する(かも)が、アンナコムネナはギリシャ神話を引用する?




ビザンツ・帝国とは?ローマ帝国まとめ

アンナ・コムネナは、11世紀から12世紀にかけて、現在のトルコ周辺を中心に栄えていた「ビザンツ帝国(東ローマ帝国)」という国の皇帝の娘として生まれました。彼女が生きたのは、中世ヨーロッパの十字軍が活発に行われていた時代です。


ビザンツ帝国(東ローマ帝国)は、古代ローマ帝国が東西に分裂した後の東部を継承した国家であり、西暦330年にコンスタンティノープル(現在のイスタンブール)を首都としたことでその歴史が始まりました。395年にローマ帝国が正式に東西に分裂すると、西ローマ帝国は476年に滅亡しましたが、東ローマ帝国はその後も千年以上続き、1453年にオスマン帝国により滅ぼされるまで存続しました。


西ローマ帝国は、ローマを中心としたラテン文化とキリスト教(カトリック)を基盤とし、ゲルマン民族の侵入などにより早期に衰退しました。一方、ビザンツ帝国はギリシア語を公用語とし、古代ギリシア文化とキリスト教(正教会)を融合させた独自の文明を築き上げました。東西で言語、文化、宗教の形態が異なったことが、後の東西教会の分裂(1054年の大シスマ)へとつながります。


神聖ローマ帝国は、800年に西欧のカール大帝(シャルルマーニュ)がローマ教皇から皇帝の冠を授けられたことに始まります。歴史上有名な一族ハプスブルグ家が治めていた帝国としても知られています。この帝国は西ローマ帝国の後継者を自認していましたが、実際には中世ドイツを中心とする緩やかな諸侯(王様)の集合体で、ビザンツ帝国のような中央集権国家とは異なります。神聖ローマ皇帝は、ナポレオンの台頭によって諸侯に影響力を失い、自らの皇帝位を正式に放棄し、解体を宣言しています。神聖ローマ皇帝とビザンツ皇帝の両者は、いずれが「ローマ帝国」の正統な継承者かという点で互いに競合しました。


まとめると、ビザンツ帝国は古代ローマ帝国の東半を継承した中央集権的な国家で、ギリシア文化と正教を基盤とした文明を築きました。西ローマ帝国はラテン文化とカトリックを基盤とするも早期に滅亡し、神聖ローマ帝国はその「西ローマの再興」を目指した中世的権威の象徴でした。この三者は、それぞれ異なる文化的・宗教的背景を持ちながらも、「ローマ」の名を巡って歴史的に深く関わっていたのです。


アンナの父・アレクシオス1世は、第一回十字軍(1096年~1099年、キリスト教徒がエルサレムを目指して遠征した戦い)に関わり、複雑な外交や戦争に対応していた人物です。


アンナ自身はとても頭がよく、歴史や哲学、医学などを深く学びました。のちに、父の政治と戦争の記録をまとめた『アレクシアス』という歴史書を書きました。これは、中世ヨーロッパの歴史を知るうえでとても貴重な資料になっています。





オタクが描く面白さ

新しい歴史漫画ジャンル


私が幼かったころの女性漫画家は、主に少女漫画を描いていらっしゃったと思います。しかし、近年、所謂、漫画家がマンガを描くのではなく、小説家、歴史家など別分野が本業をされている方が、漫画を描くケースが増えてきているように思います。


その意味では、40代が思い描く歴史漫画のイメージとはかけ離れた歴史漫画が増えて参りました。そういう視点で見てみるとアンナ・コムネナは、少女漫画や従来の歴史漫画には無かった女性ならではの視点が事細やかに物語の中にちりばめられており男くさいマンガとは一線を画しています。



漫画的リアリズムのススメ

太宰治や三島由紀夫など戦後文学では「人生の意味」「真実」を探る重たいテーマを描くリアリズムが主流だったように思います。

しかし、エヴァンゲリオンやガンダムに代表されるようにアニメの世界のなかでも登場人物が深刻な悩みを抱えて葛藤する姿が描かれるようになりました。

世界のルールは決まっていて、世界のルールと自己との葛藤が描かれています。完全創作だとリアルではあるが現実そのものではなくゲームの世界でどこか他人事であるかのようにも感じてしまいます。

歴史を学ぶ良い視点は、あくまでリアルな出来事して存在していた(だろう)という点にある気も致します。

アンナ・コムネナ、あらためてそんなことを思い出させてくれました。




Willbe 図書館

Willbe図書館人気記事ランキング
Willbe図書館新着ブログWillbe図書館ブログ 人気ランキング...
Willbe図書館とは?
「教養は幸運なときには飾りとなるが,不運の中にあっては命綱となる」by アリストテレス効率的な勉強とは...
全国公立高校入試出典(国語)ランキング
春休みに新高1が何をするべきか〜国語編〜
あなたは「自分の受験勉強」に自信を持てますか?
カラフル~赤穂の小学生に勧めたい本 ~
僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー
WIllbe 図書館 「先生はエライ」
Willbe図書館とは?
【阿•吽】赤穂の小中学生に勧める漫画シリーズ
なぜ入試問題に「小説」が出題されるのか?
全力で中学生・高校生に向けて勧める本「世界を信じるためのメソッド~ぼくらの時代のメディア・リテラシー~」
ステップファザー・ステップ~赤穂の小学生にお勧めする本~
スマホ脳~保護者や高校生に読んで欲しい本~
「東大教授が教えるやばい日本史シリーズ」「世界史は化学で出来ている」【2021年8月】Willbe図書館追加図書
赤穂の高校生にお勧めする本「これは水です」 オススメ度200%
「おやときどきこども」【2022年10月①】赤穂の進学塾
10月(2021年)の追加図書「自分・不思議な存在」「社会的共通資本論」
保護者の皆様へ 〜こんな私をお許しください〜
悪口ってなんだろう【2023年9月②】赤穂の進学塾
「獣の奏者」漫画ver【2023年2月②】新着図書
5月の追加図書【2022年】「戦争広告代理店」「ナイン」「新釈 遠野物語」「不忠臣蔵」
「燃えよ剣」「鉄道員(ぽっぽや)」【2022年7月】赤穂の進学塾
2022年 Willbe図書館の始まり 「嫌われた監督」
4月(2022)の追加図書~宇宙が好きな人へ~「宇宙のなぞ」
プリニウス/ぶっちゃけ誰が国を動かしているのか教えてください【2023年4月/追加図書】
神聖ローマ帝国30年戦争【2023年10月①】赤穂の学習塾Willbe追加図書
6月の追加図書【2022】「ち。-地球の運動について-」「水を縫う」
やりたいことをやるためには、、、「ちはやふる」最終巻
~6番目の小夜子:恩田陸~ Willbe図書館 10月のオススメ本
2月の追加図書【2022年】「エルマーの冒険」「あしたの言葉」「モモ」「魏志倭人伝の謎を解く」「三国志」
「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?【2025年1月】赤穂のWillbe図書館
賢い子にしたいなら漫画を読ませろっ今月の追加図書【2024年6月】
姫路西/姫路東を目指す人へおススメする問題集
Willbe図書館 7月のオススメ本~喜嶋先生の静かな世界~
あなたの言葉を/辻村深月【Willbe図書館】202503②
「人は考えた通りの人になる」【2023年3月追加図書②】
8月の追加図書 2022「百人一首新事典-漫画+解説で覚える-」「考えない練習」
あれも買いたい、これも買いたい。
ねこねこ日本史⑮【Willbe図書館今月の追加図書⑤】
神作家紫式部のありえない日5巻【2025年1月Willbe図書館追加図書③】
「宇宙はなぜこのような宇宙なのか」【2021年12月①】「21世紀を生きるキミたちへ」
9月の追加図書【2022】「砂糖の世界史」「食べ物から学ぶ世界史」「現代思想入門」「カラマーゾフの兄弟」
【歴女養成シリーズ】12月の追加図書②【2022】天は赤い河のほとり/おちくぼ/神作家 紫式部のありえない日々/超訳百人一首「うた変」「うた恋」「恋のうた」
「寄生獣」2023年6月の新着図書②
3月の追加図書【2023年】英語多読「ペンギンリーダーズ」
美とは何か?【2023年8月①】追加図書
東井義雄シリーズ」【2022年3月】赤穂の進学塾
「<子ども>のための哲学」「子どものための哲学対話」
秦河勝って誰?坂越の大避神社と『秦氏の正体』を読み解く【2024/11】追加図書
古典モノ語り【2025年4月③】Willbe図書館追加図書
4月(2022)の追加図書〜その2〜「あと少しもう少し」「津田梅子」「サリバン先生」「エリザベス・ブラックウェル」
【角川のびーる国語シリーズ】2024年10月追加図書
あっちゃんあがつく/おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん【2023年9月①】赤穂の塾
守り人シリーズ 【新着図書 2022】
「アルテ」「ヨーロッパ史入門」【2023年1月の追加図書〜歴女養成シリーズ第2弾〜
【LaQ-Basic 1400-】今月の追加図書2024年10月②【ラキュー】
この世界の片隅に/わかる日本書紀【2023年11月①】
プルートゥ【Willbe図書館追加図書】2025年4月②
汝、星のごとく 【2023年8月②】
「薬屋のひとりごと」【2024年5月追加図書】
スマーフ/ポイントサラダ 【WIllbe図書館追加図書】2023年4月②
詩歌川百景①~④【2025年1月④】赤穂の進学塾
大学パンフ/赤本一覧【Willbe図書館】
Willbe図書館人気記事ランキング
科学的とはどういう意味か【2024年8月追加図書】赤穂のWillbe図書館
アドラー心理学入門【今月の追加図書】2025/04
2023年6月の追加図書①【スマーフシリーズ】
今月の追加図書「Newtonシリーズ」
エリザベス女王一世【2025年7月③】追加図書
失敗図鑑 小学4~6年生用?【2025年7月】追加図書
進化的人間考【202408①】赤穂の進学塾
ぼっちママ相談室~子育ての孤独にさよなら~【Willbe図書館】2025年6月追加図書
大化改新【2023年10月追加図書】
サラ・ベルナール【2025年7月④】追加図書
14ひきのシリーズ【2024年10月④】赤穂で追加図書
世界史の問題児たち【20250306】赤穂のWillbe図書館追加図書
エリザーベト【2025年7月⑤】赤穂の進学塾
恋人スマーフェット/コスモスマーフ【2024年10月③】赤穂の学習塾習い事
もうじきたべられるぼく【Willbe図書館追加図書2024年12月追加図書】ぜひ”読みきかせ”にお使いください
「荘園」2025年1月のWillbe図書館追加図書②
全体主義という悪魔【2022年10月②】
早すぎた天才 小4~小6むけ?【2025年7月②】Willbe図書館
武器としての漫画思考【2024年6月②】
「武器としての『資本論』」【2021年12月③】赤穂の図書館
ゲーム的リアリズムの誕生【2023年10月②】赤穂市の進学個別指導塾



タイトルとURLをコピーしました