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【一緒に考えない?】と語りかけてくる本―『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』1・2一│塾長おすすめの1冊

Willbe図書館

兵庫県赤穂市

「進学個別指導塾Willbe」の光庵です。

今回は、塾長おすすめの1冊として、

ブレイディみかこさんの

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2

を、合わせてご紹介します。

Yahoo!ニュース|本屋大賞2019年ノンフィクション本大賞を受賞し、60万人を超える読者を感動させた大ベストセラー。

そして、変わり続ける時代を生き抜く子どもたちに読んでほしい、ミリオンセラーの完結編となる続編。

どちらも、赤穂市の小中学生・高校生にぜひ手に取ってほしい一冊です。

本書をどんな言葉をもって語ろうかと考えていたとき、西加奈子さんの帯コメントに大変共感致しました。

隣に座って、
肩をたたいて「一緒に考えない?」
そういってくれました。

絶対に忘れたく
ない友達みたいな本です。

出典:https://www.shinchosha.co.jp/ywbg/

塾の先生が大人のエゴとして小学生や中学生におすすめする理由はまさにここにあります。

文章が美しい、読みやすい、面白い以上に「一緒に考えない?」と語りかけてくれるのです。

まさに「一緒に考えない?」です。

事実、私は一緒に考えてしまったのです笑。


ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

大人の凝り固まった常識を、子どもは子どもなりのやり方で軽く飛び越えていく。

著者:ブレイディみかこ
1965年福岡県生まれ・1996年から英国ブライトン在住・ライター・コラムニスト。

2017年『子どもたちの階級闘争』で新潮ドキュメント賞、2019年『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』でYahoo!ニュース|本屋大賞2019年ノンフィクション本大賞受賞)

出版社:新潮社(単行本:2019年/新潮文庫:336頁) 〔小学生〜大人〕

優等生の「ぼく」が通い始めたのは、人種も貧富もごちゃまぜのイカした「元・底辺中学校」だった。

ただでさえ思春期ってやつなのに、毎日が事件の連続だ。

人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。

時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり……。

何が正しいのか。正しければ何でもいいのか。生きていくうえで本当に大切なことは何か。

世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子とパンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。

連載中から熱狂的な感想が飛び交った、私的で普遍的な「親子の成長物語」。

出典:https://www.shinchosha.co.jp/ywbg/


『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』が教える多様性のリアル

時代が進めばすすむほどに多様性の「様」は「多く」なっていきます。

ジェンダー、LGBTなど、少し前にはなかった多様性を象徴する言葉が増え続けていきます。

言葉が生まれることで逆に寛容でなくなる結果が生まれているのではないかと思うほどです。

ややもすると重たい本のように伝わるかも知れませんが、

私はあえて共感だとか感動ではなく「大人のエゴ」として子どもたちに読んでみて欲しいと思ってしまうのです。

「多様性」
「人種差別」
「ジェンダー」
「マイノリティ」
「貧富の差」
「異文化理解」

など実体験として経験していないことは、分かりようもなく意識を出来るはずもありません。

「人の気持ちを考えて」と言いながら
そんなことは実際に出来るのでしょうか?

「私は差別をしていません」と思いたいが、
そんなことは実際に可能なのでしょうか?



実体験出来るはずもないことを、

イギリス・ブライトンの「元・底辺中学校」という舞台で繰り広げられるストーリーを通じて考えさせてくれる。

これは、道徳の授業や社会の教科書で学ぶことよりも「社会」をより深く理解することに繋がると私は思います。もちろん、私が意図したこととまったく違うことを考えてくれても構わないです。

このような多様性・アイデンティティ・思春期の価値観といったテーマは、小学生や中学生にとって「読書こそが経験になる分野」です。

是非、一読あれ。


私がこの本を中学生に読んで欲しいなとおもったキッカケ。

たまたまネット記事「差別があるままに他者と交わる世界に生きている」に出会い読んでいるうちに、ふと弊塾の本棚にある『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を思い出したのです。

こちらの記事もじつに考えてみたいことが多い記事です。

差別を語ることが難しくなる世の中において、

「優しい」世界にも差別があるということに気づいてほしいし

逆に

「差別がある」にもかかわらず優しい世界がある

という逆説的な世界とも出会ってほしいと思います。

どういうことなんでしょうね。。。

一緒に考えてみませんか??


『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』

―ミリオンセラーの話題作完結編

著者:ブレイディみかこ 出版社:新潮社(単行本:2021年9月/新潮文庫:2024年9月) 〔小学生〜大人〕

新潮文庫版の帯コメントは「変わり続ける時代を生き抜く君に、読んでほしい。ミリオンセラーの話題作完結編。」

1冊目のあの「ぼく」が、さらに大きく成長していく姿を描いた続編にして完結編です。

1冊目を読んで、思春期の「ぼく」が直面した人種差別・ジェンダー・アイデンティティ・マイノリティ・貧富の差といったテーマに心を動かされた方は、その続きをぜひこの2巻で味わってみてください。

1冊目を未読の方は、ぜひ1冊目から手に取ってみてほしいと思います。1巻と2巻を続けて読むことで、ブライトンの「元・底辺中学校」を舞台にした「ぼく」の成長物語を、より深く味わうことができます。

💡 塾長からのワンポイント


読書感想文を書くなら?

もしこの本で感想文を書くなら、「多様性って大切だと思いました」という優等生な感想で終わらせるのはもったいない!

「自分なら主人公の『ぼく』と同じように考えられただろうか?」

「自分の身の回りにある『見えない壁』は何だろう?」と、

自分の日常と結びつけて書くと、他の人とは違うグッと深い感想文になりますよ。


大人が読むなら

野暮ですが、あえて批判的なことを言う

舞台「ブライトン」の特殊性を知っておいてほしい

ここまで小中学生・高校生におすすめする話を書いてきましたが、もし保護者の方や、教育に携わる大人の方がこの本を読まれるなら、ひとつだけ補足しておきたいことがあります。

本書の舞台は、イギリス南部の海辺の街ブライトン(Brighton)です。著者ブレイディみかこさんは1996年からこの街に住んでいます。

このブライトンという街、実はイギリスの中でもかなり特殊な街なのです。

「同性愛者の首都(Gay Capital of UK)」と呼ばれる街

ブライトンは、イギリスで「同性愛者の首都」と呼ばれるほどLGBTコミュニティが大きい街です。

16歳以上の住民のうち11〜15%がLGBに該当するという統計もあります(2014年)。1973年から続くイギリス最大級のプライドパレードが毎年8月に開催され、街には常時レインボーフラッグが掲げられています。

それだけではありません。

ブライトンは:

  • 市当局が公式に多様性を促進する寛容な政策をとっている
  • ブライトン大学・サセックス大学があり、学生・留学生・国際色が豊か
  • イギリスのボヘミアンな海辺の街」とも呼ばれるアート・音楽の中心地
  • 2018年には「ヴィーガンの首都」にも選ばれた

つまり、イギリスの中でも極めてリベラルで、多様性に対して寛容な土壌が元々ある街なのです。

「だから読まない方がいい」ということではない

これは決して「だからこの本は信用できない」という話ではありません。

むしろ、この本がブライトンという多様性に寛容な土壌の上で書かれているからこそ、「元・底辺中学校」のような複雑な環境でも、子どもたちが対話し、考え、乗り越えていく姿が描けたのだとも言えます。

ただ、大人としては:

  • イギリスではこうなんだ」「だから日本も」と一足飛びに結論づけない
  • ブライトンの「優しい世界」の背景には、長年の市民運動・行政の取り組み・寛容な文化的土壌があることを忘れない
  • 日本の地方都市(例えば赤穂市)で同じことが起こるとは限らないし、起こすには別の工夫がいる

そんなことを念頭に置きながら読むと、この本はさらに深く味わえるのではないかと思います。

「大人にとって都合のいい子ども像」

ここもあえて書いてみます。

売れる作品というものは、筆者が往々にして「感動させるポイント」というものを把握して、描く場合があります。

ブレイディさんがそのように書いたかどうかは分かりません。

しかし、

本書で描かれていることは「大人にとって都合のいい子ども像」ともいうことが出来ます。

ここまで私も教育的価値として、読むべきだということを書いてしまっていますが、

だからこそ――

先ほど書いた「優しい世界にも差別があるということに気づいてほしいし、逆に『差別がある』にもかかわらず優しい世界があるという逆説的な世界とも出会ってほしい」という問いとも、

繋がってきます。

ブライトンの「優しい世界」の中にも、本書が描くように差別はある。

そして、日本のように「差別なんてない」と思われがちな世界の中にも、見えない差別はあるかもしれない。

逆もまた然り――

差別だらけのように見える世界の中にも、

ふと優しさが現れる瞬間がある。

そんな複雑さこそが、この本の本当のテーマなのかもしれません。



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